相続手続きの基本と流れ|最初の確認から名義変更までの完全ガイド

相続手続きの流れと必要書類を行政書士が解説する記事のアイキャッチ画像

相続が始まると、戸籍の収集・財産調査・名義変更など、多くの手続きが一度に必要になります。
「何から手をつければいいのか分からない」「時間だけが過ぎてしまう」というご相談も少なくありません。

このページでは、行政書士としての実務経験をもとに、相続手続きの全体の流れ必要書類、そして注意しておきたいポイントを整理して解説します。
空き家や自宅不動産の相続がある場合のポイントもあわせてご紹介します。


1. 相続手続きは何から始める?|7つの基本ステップ

相続手続きは、おおまかに次の7つのステップで進めます。

  1. 相続人の確定(誰が相続人かを確定する)
  2. 戸籍・住民票などの必要書類の収集
  3. 相続関係説明図の作成
  4. 財産調査(不動産・預貯金・負債など)
  5. 遺産分割協議と遺産分割協議書の作成
  6. 不動産・預貯金など各種名義変更(相続登記を含む)
  7. 相続税申告が必要な場合は税理士への相談・申告

最初に全体像をつかんでおくことが、手続きをスムーズに進めるための第一歩です。


2. 各ステップのポイントと注意点

(1)相続人の確定

被相続人(亡くなった方)の戸籍を出生から死亡まで連続して取得し、誰が相続人になるのかを確定します。
ここで漏れがあると、後の手続きや遺産分割がやり直しになることもあるため、慎重な確認が必要です。

(2)戸籍・住民票などの収集

相続手続きの多くは、金融機関や法務局で行いますが、その前提として戸籍・住民票などの書類が必要です。
特に、昔の本籍地が遠方にある場合などは、郵送での請求が必要になり、時間がかかることがあります。

(3)相続関係説明図の作成

相続関係説明図とは、家系図のような形で相続人同士の関係を整理した図です。
これを作成しておくと、銀行や法務局での手続きがスムーズになり、担当者にも状況を正確に伝えることができます。

(4)財産調査(不動産・預貯金・負債など)

不動産の登記事項証明書・固定資産税評価証明書、預貯金・株式・保険・借入金など、プラスの財産とマイナスの財産両方を確認します。
相続放棄を検討する場合も、まずはこの財産調査が重要です。

(5)遺産分割協議

相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合い、合意した内容を遺産分割協議書として書面に残します。
相続人のうち一人でも合意していないと、原則として遺産分割は成立しません。

(6)名義変更(相続登記・預貯金の解約など)

不動産の名義変更(相続登記)は法務局で行い、預貯金や株式などは各金融機関で手続きします。
特に不動産の相続登記は、2024年から3年以内の申請が義務化され、放置すると10万円の過料の対象となる場合があります。

(7)相続税の申告が必要な場合

相続税が必要になるかどうかは、相続財産の総額や家族構成によって変わります。
基準額に近い場合や不安がある場合は、税理士に相談し、必要に応じて申告を行います。


3. 相続手続きに必要な書類一覧

相続手続きでよく使う書類を、分野ごとに整理しました。チェックリストとしてご活用ください。

(1)戸籍・住民票などの身分関係書類

  • 被相続人の戸籍(出生から死亡まで連続したもの)
  • 被相続人の除票(住民票の除票)
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 相続人全員の住民票

(2)不動産に関する書類

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税評価証明書
  • 固定資産税納税通知書

(3)預貯金・証券・保険などの書類

  • 預金通帳・キャッシュカード
  • 残高証明書
  • 株式・投資信託の残高・取引明細
  • 生命保険・損害保険の保険証券

(4)その他、あると良いもの

  • 遺言書(公正証書・自筆証書等)
  • ローン契約書・借入金の明細
  • 賃貸借契約書(賃貸不動産がある場合)

相続に必要な書類をまとめて確認する


4. 相続登記や名義変更が遅れるとどうなる?

相続登記や名義変更を後回しにすると、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 相続人が増えて話し合いが難しくなる(世代交代・相続人の死亡など)
  • 特定空家に指定されるリスク(空き家のまま放置した場合)
  • 売却や活用ができない期間が長引く
  • 2024年以降は、相続登記を放置すると過料の対象になる可能性

相続した不動産を将来的に売却・賃貸・建て替えなどで活用したい場合、名義変更は早めに済ませることをおすすめします。


5. 空き家・自宅不動産がある場合|相続と売却を同時に進める流れ

相続した家が空き家になっている場合、「片付けが終わってから相続手続きや売却を考えよう」とすると、数年単位で時間がかかってしまうことがあります。
実務的には、片付け・相続手続き・売却準備を同時進行で進める方がスムーズです。

  1. 相続人の確定と、家をどうするかの方針決定(売却・賃貸・自宅として利用など)
  2. 片付け専門業者による現地確認と見積もり
  3. 行政書士による相続関係説明図・遺産分割協議書の作成
  4. 片付け作業(必要に応じて立ち会い)
  5. 不動産の相続登記・名義変更
  6. 宅建士による査定・売却戦略の検討
  7. 不動産会社と連携して買主探し・売買契約

私は、行政書士と宅建士の資格を持ち、片付け専門業者とも連携しているため、
「片付け → 名義変更 → 売却」までを一つの窓口でサポートすることができます。

片付け・相続・不動産売却について相談する(お問い合わせ)


6. 相続不動産で失敗しないための注意点

(1)相続人全員の同意を取らずに話を進めない

「代表して長男が決めてしまった」「一部の相続人にだけ説明した」というケースは、後からトラブルになる原因です。
売却・活用・取り壊しなどの大きな判断は、相続人全員の同意を得てから進めましょう。

(2)必要書類が揃う前に不動産会社と話を進めすぎない

名義や権利関係が整理できていない状態で売却活動を始めると、契約直前で手続きが止まることがあります。
行政書士と不動産会社が連携することで、「法的な整理」と「売却実務」をバランスよく進めることができます。

(3)空き家の放置リスクを甘く見ない

空き家を長期間放置すると、雑草・害虫・不法侵入などによる近隣トラブルのほか、特定空家指定や固定資産税の優遇解除といったリスクも発生します。
できるだけ早い段階で「売却する」「貸す」「解体する」など、方向性を決めることが大切です。

空き家を放置するとどうなる?(行政の動きと売却の実務アドバイス)


7. まとめ|相続手続きは「早めに全体像をつかむ」ことが第一歩

相続手続きは、一つひとつのステップ自体は難しくなくても、
「どの順番で、何を揃えて進めるか」が分からないと、時間も労力も大きくかかってしまいます。

このページでご紹介した流れと必要書類を参考にしていただきながら、
「自分で進められる部分」と「専門家に任せた方が良い部分」を整理していくことをおすすめします。

特に、空き家や不動産が絡む相続の場合、
行政書士・宅建士・片付け専門業者が連携することで、
片付け・名義変更・売却までをワンストップで進めることが可能です。

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