任意後見とは?法定後見(成年後見)との違いを行政書士が解説|費用・流れ・Q&A

任意後見と法定後見(成年後見)の違いをわかりやすく解説
高齢化社会の中で、「親が将来、認知症になったときにどうすればいい?」というご相談が増えています。
判断能力が不十分になったときに備える制度として成年後見制度があります。
成年後見制度は大きく分けて次の2種類に分類されます。
- 法定後見(一般に「成年後見」と呼ばれるもの)
- 任意後見(将来に備える契約型の制度)
成年後見制度の全体像(体系図)

この図のとおり、「成年後見制度」=「法定後見(後見・保佐・補助)」+「任意後見」という構造になっています。
一般に「成年後見」という場合は、裁判所が関与する法定後見を指すことが多いため、本記事では「法定後見(成年後見)」と表記します。
任意後見とは?
任意後見は、本人が判断能力があるうちに、将来に備えて信頼できる人を後見人に指定する制度です。
契約は公正証書で作成され、本人の判断能力が低下したときに家庭裁判所の監督を受けて効力が発生します。
- 本人が後見人を選べる
- 将来に備えて「予防的」に利用できる
- 公正証書で契約するため法的効力が強い
法定後見(成年後見)とは?
法定後見は、すでに判断能力が低下した人を対象に、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。
本人の状況に応じて次の3類型に分かれます。
- 後見:判断能力がほとんどない場合
- 保佐:判断能力が著しく不十分な場合
- 補助:判断能力が一部不十分な場合
申立は本人・配偶者・親族などが家庭裁判所へ行い、裁判所が適切な後見人を選任します。
▶ 当事務所で実際に作成した 任意後見契約の事例はこちら
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任意後見と法定後見(成年後見)の比較
| 項目 | 任意後見 | 法定後見(成年後見) |
|---|---|---|
| 利用開始時期 | 判断能力があるうちに契約 | 判断能力が低下してから申立 |
| 後見人の決定方法 | 本人が自ら契約で指定 | 家庭裁判所が選任 |
| 主な利用目的 | 将来の備え(予防) | 現在すでに支援が必要な場合 |
| 契約形式 | 公正証書 | 裁判所の審判 |
| 柔軟性 | 本人の意思を反映しやすい | 本人の意思が反映されにくい |
任意後見契約の流れ
- 行政書士や専門家に相談
- 公証役場で契約内容を公正証書にする
- 将来、本人の判断能力が低下した場合に家庭裁判所へ監督人を選任申立
- 任意後見人による財産管理・生活支援がスタート
費用の目安
- 公正証書作成費用:1契約につき約2〜3万円
- 専門家報酬:契約内容により10〜20万円程度(事務所によって異なる)
※当事務所で実際にお手伝いしたケース:依頼者(息子)が父のために任意後見契約を結び、依頼者本人とその兄が任意後見人となった例では、2つの公正証書が必要となり、公証役場費用は約4〜6万円でした。
FAQ|よくある質問
Q1. 任意後見と法定後見、どちらを選ぶべきですか?
A. 将来に備えたい場合は「任意後見」、すでに判断能力が低下している場合は「法定後見」となります。
Q2. 任意後見人は親族でなくてもよいですか?
A. はい。信頼できる友人や行政書士・弁護士など専門職を指定することも可能です。
Q3. 契約を結んだ後に変更できますか?
A. 本人に判断能力があるうちは契約の取り消し・変更が可能です。
Q4. 法定後見は費用が高いと聞きましたが本当ですか?
A. 裁判所が専門職を選任する場合、報酬が月2〜3万円程度かかることがあります。長期になると費用負担が大きくなる点も考慮が必要です。
まとめ
任意後見は将来の備え、法定後見(成年後見)はすでに支援が必要なときの制度です。
状況に応じてどちらを利用すべきかを見極め、早めに行政書士など専門家へ相談することをおすすめします。
任意後見・法定後見に関するご相談
将来に備えた任意後見契約、すでに判断能力が低下した場合の法定後見(成年後見)など、
状況に応じた最適な制度をご提案いたします。初回相談は無料です。


